『SUUMOリフォーム』2017年1月号特集扉

こども食堂の名づけ親である「気まぐれ八百屋だんだん こども食堂」の店主・近藤博子さんのインタビューによれば、こども食堂とは、「こどもが一人でも安心して来られる無料または低額の食堂」ということで、貧困家庭 という限定でもなければ、「こどもだけ」とも言っていないそうです。
大人であっても子どもであっても、孤食は寂しい。
貧困問題はもちろん大変なことだけど、それ以前に「ただ誰かといたい」というシンプルな願いを抱えてる人——、老人や子どもやシングルマザーのみならず、働き盛りの中高年男性であっても立ち寄れる場所があったら、救われる人がたくさんいるのだろうな〜、と思ってます。
実際は、いろいろ難しいだろうけど。
でも、イラストだからそういう願いを込めて、いろんな人を描きました。
扉はこんな感じ。家の外観を描いています。
「ここを めくってね。」というところをめくると、観音状に開きます。
ジャーン!おうちの中が御開陳!詳細に見て行きましょう。
こちらは左観音の「むかしの いえ」
こちらが右観音の「いまの いえ」
その後、カットイラストのページを挟んで、こんなページもあります。
昔のおもちゃか、今のおもちゃか考えて、シールを貼るページです。子どもはシールが大好きです!
5歳のボクは両親とおじいちゃん、おばあちゃんと新しい家に一緒に住んでいます。
でも、この家が立つ前にはどんな家がたっていたんだろう。
おばあちゃんが、ボクと同じ年頃だった昭和35年頃、
今の家とは全然違うおうちに住んでいたんだって。
建材も違う。家具も違う。家電も違う。服も違う。遊びも違う。
でもよくよく見てみると、庭にある栗の木や、金木犀の木はおんなじだ。
いやおんなじじゃない、結構おっきくなっている。
そして、ボクがおばあちゃんに遊んでもらっている様に、
おばあちゃんも、そのまたおばあちゃんに遊んでもらっていたんだね。
と、こんなイメージで描きました。一つ一つを見比べながら、おばあちゃんの時代を想像してもらう、
昭和とともに生きたキンダーブックにふさわしい、とても楽しい特集ですね。
歴史考証の難しい内容でしたが、大好きなテーマなので、資料集めも面白かったです。
中でも、大田区にある「昭和のくらし博物館」はとっても参考になりました。
また、ちょっとした家具を一つ描くのにも、小さな発見の連続でした。
古い家の玄関すぐ横の書斎にある藤製の椅子は、明治期からあった物だけど、
昭和初期までは、まだまだお金持ちのアイテムだったそうです。
やっと庶民に普及したのが昭和中期。だから、私が小さい頃やたらと見かけたのね!とか。
新しい家のアルミサッシの窓枠は昭和45年頃の登場で、それまで家の中を
苦労して掃き掃除していた主婦達には、革命的な出来事だったんだ!とか。
今は当たり前になってしまった、どうってことないアイテムの一つ一つに、当時の方達が抱いていた憧れや希望。
そんな気持ちに思いを巡らすと、なんとも感慨深いものがありました。
箱庭的世界が好きな私にとって、家というのは日常に存在する大きな箱庭です。
それはただの建材や物の集積ではなく、住まう家族の喜びや悲しみも刻むものに見えるからです。
そうした語り尽くせない家族の歴史を、家というテーマを通じて、
小さいボクたちがほんの少しでも感じ取ってくれたら、この上なく幸せですね。
保存
かっこいい表紙です!
俯瞰図の脇に添えた各社名称の描き文字が表紙に…!
最初から表紙になるなんて意識して描いてたら、きっと力み過ぎて、こうは描けなかった。。
Renzo Piano Building Workshop
Pelli Clarke Pelli Architects
Foster+Partners
OMA NY OFFICE
Hopkins Architects
Gensler
こうやって並べると、それぞれを描いてた時を思い出します。
時間が出来たら、一読者としてゆっくりゆっくり眺めてみます。
やっぱり本になって、しかも6点も掲載されると、嬉しいものですね。
建築好きな方、俯瞰図や間取り好きな方、海外での活躍を目指すクリエイターの方、
書店に並んだら、是非お手に取ってみて下さい。発売は9月5日です!
よろしくお願いいたします。
学校校舎で撮影して頂いたため、人形のリアリティも倍増!
この後数ページに渡って掲載して頂いております。
すっかり教育の現場に縁がなく、なかなか知り得ない世界なのですが、、
教師の方、こんなに業務が多いのですね。。
その上、親御さんや政府まで多方面に気を使い、、、お疲れさまでございます。
他に、個人的に興味深かった記事は、
「授業で戦争否定したら「偏向」?自民「密告サイト」の狙い」
「胃袋の国際交流 東京でアジアを食べる!」
「【お言葉公表】象徴天皇の「事業継承」プロジェクト始まる」
等々。
教職関係の方必読の一冊です!是非ご一読を!
EXPO70のイタリア館!パリのポンピドーセンター!関西国際空港旅客ターミナル!
と言われれば、建築に疎い私でも存じ上げておりまして感激するのですが、
オフィスがまたスゴイ。段々畑の地形を利用した階段状の建物…!
さすがにこれ、今まで描いた中でもかなりの難易度でした。
どこを地点と考えて描けば良いのやら。。でも頑張って、なんとか描きあげました。
紺碧の海を見下ろしながらリフトで出社…って、それどう考えても気分はリゾート。
働く気になれるのだろうか、なんて私なんかの余計な心配を裏切る様に、
記事を読めば、コンペのために徹夜する社員さん達の会話が紹介されていました。
そりゃそうですよね。。
そしてどんなにパソコンが発達しようと、核となるのはやはり工房。
自分も、いつか工房のある家を建てようと、先立つ物もないのに、
愚にもならないスケッチばかりしてたりするので、ほんと憧れてしまいます。
さて、記者さんとカメラマンさんの取材資料を元にイマジネーションを炸裂させて
描き起こしているこのシリーズ、これで6作目になりますが、
夏には書籍にまとめられるそうなので、大変楽しみにしています。
その折には、また御報告したいと思いますので、よろしくお願いいたします!
子育て共働き夫婦の朝風景、こんな感じでバタバタなのでしょうね。
お母さん、トップスだけ出勤用にスタンバイ、だけど下ジャージだし。
お父さんはゴミ出し係で、一足先に出勤です。
坊やは慌ただしい両親に呆然と…。
切実な読者さんがたくさんいそうな特集です。
働くお母さん(お父さんも)、陰ながら応援しております!
そして今、平面だし、媒体も内容もまるで関係ないのだけど、
この状態の夫婦が「もう無理〜!」ってな感じで、
妻の実家に転がり込んで安心して暮らしてる後日談、みたいな絵、描いてます。
と言っても、そんなテーマじゃないし全く関連のないお仕事なのですが、
自分の中でだけ、勝手にストーリーがつながってたりして、
たまにあるんですよね、こういうこと。
子どもの頃大好きだった竹馬を作るの、とても楽しかったです!
私は「おばあちゃんのいる田舎」に行ったことがないので、こういう情景ちょっと憧れありますね。
けど、いまのおばあちゃんってもっと若いので、この方ひいおばあちゃんかも(笑)。
20年も続いているシリーズの新刊の、表紙立体イラストを担当させて頂きました。 知ってる様で全然知らない日本の伝統。 辞書で有名な三省堂さんからの発行なので、後世まできちんと伝えられる様、丁寧に編まれた内容です。
大人がちゃんと認識してお子さんに伝えられる様、大人向けの解説も充実しています。 例えば、「にほんの ぎょうじ」の章「けっこんしき」の解説では、 平安時代には「妻方が婿を認める婿入り婚」であったこと、 「鎌倉時代になり武家が登場すると、父権性が成熟していき、嫁入り式の婚姻が定着」した、等々、 なんとなくしか知らなかったことばかりで面白く、とても勉強になりますよ。 個人的には、「にほんの よそおい」の章なんか、着物について詳しく書かれていて、 イラストの資料としても非常に便利と思ったり。 最近は、ネットに留まらず、間違った認識で伝統を語られてる方が 多い様に感じるので、こういう本の存在って本当に大事ですよね。 3〜7歳向けなので、お子さんのいらっしゃる方、是非書店で覗いて見て下さい!メイキングアーカイブPart.2です。 2011年3月31日に発売された『病院&介護大事典』(ダイヤモンド社)表紙立体についてのメイキングです。 こちらは、PC内にテキストデータ初稿と画像データが残っていたので、加筆再編集いたしました。 最初に書いたメイキングなので、わりと真っ当に書きました。 立体イラスト制作の流れが、非常に解りやすい記事になっています。 少し補足すると、制作時期は震災前、ブログを書いたのは震災後2011年4月7日です。 冒頭で触れている「蝋人形」というのは、松島の蝋人形館で被災、破損した人形修復業務に関わったことに関する言及です。
それではどうぞ!
さてさて、あまり蝋人形のことばっかり書いていると 何屋さんだかわからなくなってしまいますね。 本業の立体イラストに戻ります。
週刊ダイヤモンド特別編集「病院&介護大事典」書店で発売中!
表紙立体イラストを制作しました。 今回は、こちらのメイキングをご披露いたします。
基本、手のひらサイズ。
アーチスタフォルモという、天然の石から作った石塑粘土を使っています。
こねこねしてるうちに3〜6時間程でここら辺まで成形します。
いろんな型のヘラを使います。 頭に差している針金は首を支えるためのもので、
ずっと入れておくと錆びてしまうので、乾いて固定したあとはひっこ抜きます。
(これ、数日でも錆びるので最近は竹串を使っています)
一番良く使うヘラ。これがなければ廃業するしかない大事な大事なヘラ。
暑い季節、乾燥している季節、暖房をつけている季節は、乾きも早い。
梅雨時は一番乾きにくく、2、3日かかることもあるので悩ましいです。
乾いたら太めのデザインカッターや彫刻刀で修正。
足りない部分には更に粘土を足してゆきます。
実はこの作業が一番辛く、部屋中粉まみれ。
イラストレーターといえども、ここらへんの作業はほとんど造形業者です。
長年マスクなしでこれをやっていたせいか、冬になると謎の咳が出る様になったので、
最近はしっかりマスクを着用しております。
足した粘土も乾いたら、紙ヤスリで修正。
あまり全体にきれいにかけすぎると、プラスティック製品の様に
のっぺりしてしまって面白くないので、案配を見てかけています。
やっと着色。
粉まみれから解放されるこの瞬間が一番好き。
他の色の基準になるので、いつも肌色から塗っています。
目をくっきり入れると一気にメリハリがつくので 周囲もそれにあわせて、くっきりさせていきます。
着色完成!
見慣れてしまうと色の感覚がわからなくなるので
着色には最低でも二日以上時間をかけています。
見落とす箇所や、次の日、違和感に気がついたりすることも多いです。
いよいよ撮影です。

これは「医療編」の目次に使用するカットのため、
「前方の医者と看護士の人形にピントをあて、後方の介護士の人形をぼかしたい」
というのがデザイナーさんの希望する絵柄です。
そのため、前後の奥行きをだいぶ確保して撮影して下さいました。
そういえば、撮影前にカメラマンの方に、人形の名前を聞かれました。
名前が解ると愛着がわいて撮りやすいんだそうです。なんて、愛のある…!
とはいえ、、当の作者はそこまで愛情をかけておらず、いつも名前なんてつけていないのですが、
たまたま今回、看護士の女の子を友人に似せて作ったので、彼女の名前を伝えると、
「はーい、Mちゃ〜ん、こっち向いて〜」 パシャッ!
なんかすごく嬉しかったです。
アングルが少し変わるだけで、表情が一変するので 繰り返し、細かい微調整を試して下さいました。
モニタに表示しながら、カメラマンさんとデザイナーさんが、
ぼかし具合などを検討しています。
細部まで妥協しないデザイナーさんの姿勢、かっこいいです!
目次はこんな仕上がりになりました!
さりげだけれども、心温まるカットです。
そして今度は大事な表紙!
モニタの画面で表紙使用のカットを見比べています。
ほとんど同じカットの様に見えるかもしれませんが 実は右端、水色エプロンの看護士の男性の向きが微妙に違っています。
右の画像は全員がカメラ目線になっていて、左の画像では少し視線をはずしています。
こんな少しの違いですが、表紙の持つ意味はだいぶ変わってくるから重要です。
書店の棚から全員がこっちを見てると、視線が気になってはっと振向くかもしれません。
でももしかしたら、そんなに全員に見られると、ちょっとプレッシャーかもしれません。
気軽に入った服屋さんで、いきなり店員全員に「お探し物でしょうかー!?」みたいな かけ声されたりすると、
つい「結構でございますー」って引き返したくなりますもんね。
ここでは、編集者さんとデザイナーさんの熱い論議が巻き起こりました。
さてさてメイキングは以上です。いかがでしたでしょうか?
こうやって、編集者、デザイナー、カメラマン、制作者の全員が集まって、
あーでもない、こーでもない、と意見を交わし合いながら作った作品は
いつもとても良い仕上がりになります。これは絶対。 だから私は、撮影に立ち会うの、大好きです。
普段ひきこもりなもんだから、人に会えるだけで嬉しいし。
ところで、表紙は最終的にどっちになったのかって?
どっちだっけ?
それは、冒頭の表紙を見て、当ててみて下さい!