初著書出版のご案内

初の著書『ホーム・スウィート・ホーム』(工作舎)を、本名の杉本彩子(さいこ)名義で出版します。
面白い暮らしぶりを実践しているお宅を取材し、俯瞰図で紹介しながら住民の生き方を掘り下げていくルポルタージュです。

構想を思い立ったのが10年前。
拙宅を皮切りに、友人知人の家の俯瞰図を描かせていただいたのが始まりです。
その後仕事が忙しくなって中断していたのですが、3年前あるきっかけで再度取り組み始め、出版が決まってからはあちこち取材に回り、この夏以降は一心不乱に色を塗っておりました。

イラストはコピックマーカーのアナログ塗りで400点以上掲載。オールカラー248ページ全編、書き下ろし&描き下ろしで、文章もこってり書いています。
うなぎの寝所のように長い京風町家は8面両観音ページで紹介し、同じ家のbefore & afterも同位置に配置して、ページをめくって見比べられるようにするなど、手元に置いておきたくなる紙の本の魅力にこだわって制作しました。

その本が年の瀬も押し迫った1227日に刊行します。
書店に出回るのは1月半ばで、1月下旬には原画展も開催します。
書店で見かけたら覗いてみてください。よろしくお願いいたします!

『SPA!』21年5月18日号にイラスト掲載

先週発売の『SPA!』21年5月18日号にイラスト掲載されています。
「会社の辞めどき」特集の「見限りおじさん図鑑」を描きました。

おじさんたちが「もう辞めてやる!」と会社を見限る瞬間のランキングを
ベスト10形式で見開きページに構成しています。

久しぶりに雑誌らしいイラストを描けて楽しかった!と思ったものの、…あれ?
久しぶりも何も、こういうイラスト、実は一度も描いていなかったかも!?
それにしては何だろう? この既視感は…。

そう、週刊誌のお仕事といえば『AERA』でたくさんお世話になっているのですが
『AERA』は基本立体イラストなので、「描いた」ではなく「作った」なのでした。
ほんの少しの諧謔性を交えつつ、おじさんたち(ガチ同世代)へのエールを込めた
このテイスト、それは『AERA』で手がけてきた立体イラストに通じるものがあり、
だから、「久しぶり!」と感じたのでした。
(『AERA』では逆に最近このテイストのオファーが減っているかも)

平面イラストは、建築関係の雑誌や、子ども向けの雑誌、教育関係の媒体が多かったので
意外なことに、こういうイラストを全然描いていなかったのですね。

でも今まで平面で描いてきた俯瞰図を構成する技術と、『AERA』の立体の諧謔的なテイストが
スッと融合して、何のストレスもなくスンナリ描けたのでした。
そしてなんか、とても楽しかった。

『SPA!』からのご依頼は初めてでしたが、若い頃から慣れ親しんだ雑誌に掲載されるのは
やっぱり嬉しいですし、お仕事的にも週刊誌のテンポがあっているのかもな〜と思いました。

衰退の一途を辿る雑誌業界ではありますが、老舗の両誌にはまだまだ頑張って頂きたいし、
雑誌文化に育てられた世代としても、まだまだやるべきことがあるはずだ!と
明るい気持ちになりました。

明けましておめでとうございます2021

 
明けましておめでとうございます。
毎年、一年間で制作したもので一番気に入ってる作品を年賀にしていて、
立体イラストが多かったのだけど、今年は久しぶりに平面にしました。
『キンダーブック がくしゅうおおぞら』で描いたイラストです。

昨年はなぜか俯瞰図ばっかり描いていて、立体はすごく少なかったのでした。
立体と平面を行ったり来たりしていると、いろんなことを考えます。
平面には背景に包まれた優しさや暖かさを感じるけれど、
立体には物が単体で立っている緊張感を感じます。
立体は常に内側と外側の間で拮抗しながら奇跡的に立っているのです。

なんの話が始まったんだ?という感じですが、無理くり新年の挨拶につなげると、
昨年は誰もが相反する価値観の間で拮抗しながら、奇跡的に立っていた一年だったと思ったのでした。

ってことで、今年は良い年になります様に! 本年もよろしくお願いいたします。
『キンダーブック がくしゅうおおぞら』2020年10月号観音扉【いろいろなへやがあるよ!】1

『キンダーブック がくしゅうおおぞら』10月号

『キンダーブック がくしゅうおおぞら』10月号では、来年小学校に入学する子どもたちに向けて 小学校ってどんなところか紹介するページのイラストを描きました。『キンダーブック がくしゅうおおぞら』2020年10月号観音扉【いろいろなへやがあるよ!】1 こちらが3〜4ページ。『キンダーブック がくしゅうおおぞら』2020年10月号観音扉【いろいろなへやがあるよ!】2 こちらが5〜6ページ。 ふたつの本を並べると、 バーン! 全貌が眺められるのです。 キンダーブックは幼稚園で配られる本なので、お友達の本と並べて遊んでくれるといいな。
別のイラストレーターさんのキャラクターや写真も載るので、煩雑にならない様にPCで着色。 コピックも好きだけど、お子さん向けには単色塗りもポップで良いですね。 遊び心がふんだんに盛り込める楽しいお仕事でした。 今年は休校が続いたりで、学校も寂しかったと思いますが、 早くこんな風に密で賑やかな光景が、子どもたちの元に戻って来ますように!
『日経アーキテクチュア』2020年8月27日号【ICTが実現する未来の病院】/日経BP社

『日経アーキテクチュア』2020年8月27日号

『日経アーキテクチュア』2020年8月27日号にて、未来の病院の俯瞰図を描きました。『日経アーキテクチュア』2020年8月27日号【ICTが実現する未来の病院】/日経BP社 久しぶりにコピックで塗りました。やっぱりアナログは楽しい。
この病院は、感染外来のエントランスを別に設けていたり、AIによる診察室の常設、待合室の縮小などが特徴です。
コロナ以降別の媒体でも、未来の薬局、住宅、会社を描きましたが、コロナによってアップデートされるであろう未来を暗中模索しています。
『おしごと年鑑2020』ブックオフ俯瞰図/朝日新聞

『おしごと年鑑2020』(朝日新聞)にブックオフの俯瞰図掲載

おしごと年鑑2020』(朝日新聞)にてブックオフの俯瞰図を描かせて頂きました。

かなり分厚い、こんな本です。

パラパラ見てると大人でも面白い。
お皿の絵付けから、商社の仕事まで、知らないことばかり。
色恋沙汰より将来の夢とか仕事とかそんなことばかりに興味があった小中学校時代、社会の仕組みが知れるこういう本が大好きでした。

『おしごと年鑑2020』ブックオフ俯瞰図/朝日新聞
小さめのカットですが、28人詰め込みました!

誌面はこんな感じ。

子どもさんに仕事のことを語る時、ついつい現実的なことも語ってしまい、夢を壊してしまったかな〜なんて思うこともありますが、子どもたちにとっては社会に一歩一歩根ざしていく知識や体験の積み重ねの方が、ふわふわした夢の世界よりもワクワクするものかな、と。少なくとも自分の子ども時代を振り返るとそうだった。
大人の世界のシュミレーションであるおままごとは、いつの時代も子どもたちにとっての楽しい遊びの定番ですしね!

大日本図書『たのしいせいかつ』しかけイラスト描きました

先日ご紹介した保健の教科書に続いてもう一つ。 同じ大日本図書さんの生活の教科書『たのしいせいかつ』「がくしゅうどうぐばこ③夜の 長さって どの くらいかな?」のイラストを担当させて頂きました。 こちらは小学2年生が使う教科書です。 イエーイ夜だ!目が覚めた!みたいな、すっかりダメ〜な大人になってしまった私からすると、もはや遠い過去の記憶なのですが、確かに7歳くらいの頃の「夜」って全く「未知」の世界だったんですよね。暗くて怖い。でも大人の秘密がいっぱい詰まってそうでどこか惹かれる魅惑の世界…。 このページではそんなドキドキの夜の世界を探検できるのです。 ページを開くとまずは昼の街角の絵が出てきます。 子どもたちにとっては見慣れたお馴染みの世界です。 右ページには懐中電灯…? これ、なんでしょうね?
イラストのおにいちゃんの様に、これをハサミで切り取って、 次のページを開くと、 あれれ? 真っ暗。。。 暗くて怖い未知の世界、、ィ夜! そこで、さっきの懐中電灯が登場です。 これを持って夜の街を探検してみよう! セロファンの下に挟むと…、 あ!公園に人がいる! 消防車も走ってる!夜の街もけっこう賑やかなんだ… 夜中なのに働いてる人もいる! おじさんたちが見回りしているね コンビニは24時間空いてるんだ!大変だなぁ… と、ここまで書いてたら脳内にある曲が浮かんできました。 夜が 夜に夜る夜 夜は夜を夜る夜と夜〜 夜は 夜を夜る夜 夜が夜に夜る夜の夜〜 「かっこいい男とかっこいい女」、横山剣さんと、今は亡き😢渚よう子さんの唄う名曲「夜のエアポケット」! そういえば、剣さんの初期の曲には「夜の境界線」「夜のヴィブラート」「アメ車と夜と本牧と」「薄幸!深夜妻」「真夜中のストレンジャー」などなど、やたらと夜の曲が多かった。 昭和に育った私にとっても、ィ夜は「かっこいい男とかっこいい女」が眩いネオンの街を闊歩するかっこいい世界!(ファンタジー)だったので、あの頃に感じていた「見ちゃいけないものを覗いて見る」よなドキドキ感を脳内で再生しながら描いてみました。 今の子にとってはもう少し、夜は身近な世界なのかもしれませんね。 でも「未知の世界」がいつでも日常のすぐ隣にあるって思う感覚、子どもにとって大切な気がするなぁ。 それにしても、こんな楽しいしかけページがあるなんて、今時の教科書ってなんて楽しいんだ!羨ましい。 最後に。 こちらがイラストの全貌です。 同じ街の一角ですが、昼と夜とではまるで別の世界。 でもよくよく探してみると、あのお兄さんもお姉さんも、あのおばさんもおじさんも、昼間に見た時とはまたちょっと違った姿で登場しているかもしれないですよ。  

大日本図書「たのしいほけん」3・4年/「たのしい保健」5・6年表紙イラスト掲載

来年度の小学校保健体育教科書の表紙イラストを担当させて頂きました。

「たのしいほけん」3・4年/「たのしい保健」5・6年(大日本図書)

初めての教科書のお仕事です。

3・4年は学校が舞台、5・6年は地域や家庭が舞台です。いろんな人との関わりの中で、めぐる季節の中で、すくすくと育つ子どもたちを元気いっぱいに描いてみました。あなたに似た子を見つけたかな?

俯瞰図の手法だと、特定の場所に限定されがちなのですが、編集者さんやデザイナーさんと推敲を重ね、なるべく幅広いシーンが描けるように構成を考えました。今まで描いた俯瞰図との一番の違いは、壁がないこと。壁を取っ払うことで格段に子どもたちの元気パワーが炸裂しました。


また、本文でも見開き5枚の俯瞰図を描いています。

3・4年「毎日の生活とけんこう」
3・4年「育ちゆく体とわたし」
5・6年「心の健康」
5・6年「けがの防止」
5・6年「病気の予防」

ページ上部の子どもたちを探しながらそれぞれのテーマについて考えていくページです。
私自身は教科書を使わない小学校に通っていましたし、今も子どもがいないので、子どもたちがこの教科書を使ってどんな風に学習してくれるのか、いまいち想像できないのですが、楽しみながら学んでくれると良いなぁ。

来年の4月、たくさんの子の手に渡るのが今から楽しみです。

企画【楽しい家シリーズ(仮名)】

一風変わったライフスタイルを実践しているお宅を取材して、俯瞰図に描いています。 [Uさん宅] こちらはグラフィックデザイナーさんと、ぬいぐるみデザイナーさんのご夫婦。中古マンションをリノベーションした三角定規みたいな間取り。工作室みたいなアトリエは、四方が囲まれていて集中力も高まる居心地の良い空間でした。 [Hさん宅] ラブドールと心中する勢いの一人暮らしのお兄さん。棚等もバーナーで焼きを入れたりタイルを貼ったり丹念に自作していて渾身の完成度でしたが、今年再訪したら1階部分まで増殖していてますます凄いことに…。本気度半端なく、描くのも一番大変でした。 [私の自宅] まずは自分んちから…と思って手始めに描きました。賃貸なんですけどちょっと変わった間取りで気に入ってます。二人で立体を作っていると、これでも窮屈だったりするのですけどね。。 他にも、造形家や漆作家、猫好きの方の家など3軒ほど描き上げています。
この取材を始めたきっかけは、自分自身、夫婦でものづくりをしているため、引っ越しの度に広めの一軒家を探すのに苦労してきた経緯があります。結婚後3回目の引越しでやっと落ち着いたものの、ものづくりが出来る賃貸物件は限られています。どこもかしこも似たような3LDKが溢れていて、暮らし方や生き方まで押し着せられているかの様な日本の住宅事情に辟易してきました。 住まいは生き方の形です。ものづくりに限らずとも、本当はもっとそれぞれのライフスタイルに見合ったバリエーションがあっても良いはずです。 自分らしいライフスタイルを実現している方たちの住まいを紹介することにより、日本の住宅事情をより豊かにしていければと思い、この取材を始めました。 実は取材済みなのに、未だ描けていないお宅もあるのですが、ここ数年忙しすぎて手をつけられずにおりました。一部のお宅にはテキストのライティングまで含めて完成しているのですが…。 最終的には書籍化を目指していますが、ここらでモチベーションを上げるためにも、どこかで連載出来ないかと。それで書店で雑誌を見たりしていたのですが、果たしてどんなジャンルの雑誌向きなのか…。 住宅やリノベーションの雑誌だと持ち家の方限定になってしまう。賃貸でも工夫されてる方の家も入れたい。 暮らしやライフスタイル雑誌だと割と女性向けが多いので[Hさん宅]の様なお宅は難しいのかもしれない。 アトリエだけに絞るなら、アート系の雑誌でもいけるかもしれない。 などなど。悩ましいのでとりあえずブログやSNSに書いてみました。 面白そうと思う方がいらっしゃいましたら、気軽にご連絡頂けると嬉しいです。 よろしくお願いいたします。

『教室の窓 低学年版』第3号にて俯瞰図掲載

しばらく立体イラストのお仕事が続いていましたが、 久しぶりに俯瞰図のお仕事のご紹介です。 『教室の窓 低学年版』第3号(東京書籍)にて 教室の俯瞰図掲載して頂きました。 こちらは先生に配布される機関誌で、 季節による教室環境の工夫の仕方を俯瞰で紹介しています。 小さなこだわりが楽しいですね。