先週発売の『SPA!』21年5月18日号にイラスト掲載されています。
「会社の辞めどき」特集の「見限りおじさん図鑑」を描きました。
おじさんたちが「もう辞めてやる!」と会社を見限る瞬間のランキングを
ベスト10形式で見開きページに構成しています。
久しぶりに雑誌らしいイラストを描けて楽しかった!と思ったものの、…あれ?
久しぶりも何も、こういうイラスト、実は一度も描いていなかったかも!?
それにしては何だろう? この既視感は…。
そう、週刊誌のお仕事といえば『AERA』でたくさんお世話になっているのですが
『AERA』は基本立体イラストなので、「描いた」ではなく「作った」なのでした。
ほんの少しの諧謔性を交えつつ、おじさんたち(ガチ同世代)へのエールを込めた
このテイスト、それは『AERA』で手がけてきた立体イラストに通じるものがあり、
だから、「久しぶり!」と感じたのでした。
(『AERA』では逆に最近このテイストのオファーが減っているかも)
平面イラストは、建築関係の雑誌や、子ども向けの雑誌、教育関係の媒体が多かったので
意外なことに、こういうイラストを全然描いていなかったのですね。
でも今まで平面で描いてきた俯瞰図を構成する技術と、『AERA』の立体の諧謔的なテイストが
スッと融合して、何のストレスもなくスンナリ描けたのでした。
そしてなんか、とても楽しかった。
『SPA!』からのご依頼は初めてでしたが、若い頃から慣れ親しんだ雑誌に掲載されるのは
やっぱり嬉しいですし、お仕事的にも週刊誌のテンポがあっているのかもな〜と思いました。
衰退の一途を辿る雑誌業界ではありますが、老舗の両誌にはまだまだ頑張って頂きたいし、
雑誌文化に育てられた世代としても、まだまだやるべきことがあるはずだ!と
明るい気持ちになりました。
カテゴリーアーカイブ: 平面イラスト
明けましておめでとうございます2021
毎年、一年間で制作したもので一番気に入ってる作品を年賀にしていて、
立体イラストが多かったのだけど、今年は久しぶりに平面にしました。
『キンダーブック がくしゅうおおぞら』で描いたイラストです。
昨年はなぜか俯瞰図ばっかり描いていて、立体はすごく少なかったのでした。
立体と平面を行ったり来たりしていると、いろんなことを考えます。
平面には背景に包まれた優しさや暖かさを感じるけれど、
立体には物が単体で立っている緊張感を感じます。
立体は常に内側と外側の間で拮抗しながら奇跡的に立っているのです。
なんの話が始まったんだ?という感じですが、無理くり新年の挨拶につなげると、
昨年は誰もが相反する価値観の間で拮抗しながら、奇跡的に立っていた一年だったと思ったのでした。
ってことで、今年は良い年になります様に! 本年もよろしくお願いいたします。
『キンダーブック がくしゅうおおぞら』10月号



『おしごと年鑑2020』(朝日新聞)にブックオフの俯瞰図掲載
『おしごと年鑑2020』(朝日新聞)にてブックオフの俯瞰図を描かせて頂きました。
パラパラ見てると大人でも面白い。
お皿の絵付けから、商社の仕事まで、知らないことばかり。
色恋沙汰より将来の夢とか仕事とかそんなことばかりに興味があった小中学校時代、社会の仕組みが知れるこういう本が大好きでした。
誌面はこんな感じ。
子どもさんに仕事のことを語る時、ついつい現実的なことも語ってしまい、夢を壊してしまったかな〜なんて思うこともありますが、子どもたちにとっては社会に一歩一歩根ざしていく知識や体験の積み重ねの方が、ふわふわした夢の世界よりもワクワクするものかな、と。少なくとも自分の子ども時代を振り返るとそうだった。
大人の世界のシュミレーションであるおままごとは、いつの時代も子どもたちにとっての楽しい遊びの定番ですしね!
大日本図書『たのしいせいかつ』しかけイラスト描きました

イラストのおにいちゃんの様に、これをハサミで切り取って、 次のページを開くと、









大日本図書「たのしいほけん」3・4年/「たのしい保健」5・6年表紙イラスト掲載
来年度の小学校保健体育教科書の表紙イラストを担当させて頂きました。

初めての教科書のお仕事です。
3・4年は学校が舞台、5・6年は地域や家庭が舞台です。いろんな人との関わりの中で、めぐる季節の中で、すくすくと育つ子どもたちを元気いっぱいに描いてみました。あなたに似た子を見つけたかな?
俯瞰図の手法だと、特定の場所に限定されがちなのですが、編集者さんやデザイナーさんと推敲を重ね、なるべく幅広いシーンが描けるように構成を考えました。今まで描いた俯瞰図との一番の違いは、壁がないこと。壁を取っ払うことで格段に子どもたちの元気パワーが炸裂しました。
また、本文でも見開き5枚の俯瞰図を描いています。





ページ上部の子どもたちを探しながらそれぞれのテーマについて考えていくページです。
私自身は教科書を使わない小学校に通っていましたし、今も子どもがいないので、子どもたちがこの教科書を使ってどんな風に学習してくれるのか、いまいち想像できないのですが、楽しみながら学んでくれると良いなぁ。
来年の4月、たくさんの子の手に渡るのが今から楽しみです。
企画【楽しい家シリーズ(仮名)】



イラストマップのお仕事〜モロッコの想い出〜
2年前に発行された『ジャジューカ モロッコの不思議な村とその魔術的音楽』に描いたイラストマップ、まずは本を購入して頂きたかったので、ネットに全体像を掲載することはしなかったのですが、もう2年も経ったのでそろそろ良いかな、と。
こちらが巻頭掲載のジャジューカ村イラストマップです。A5サイズの本なので、見開きサイズのA4で描きました。
一つの家を見えるサイズで描こうとすると、村を丸ごとA4内に描き込むのは結構難しいのですが、小さな村だからなんとか出来たという感じ。
ジャジューカって何?っていう方が大半だと思うのですが、モロッコ北部に存在する小さな村の名称で、その村で何千年も受け継がれて来た民族音楽の名称でもあります。
1971年にブライアン・ジョーンズのアルバム『JOUJOUKA』で紹介されて以来、世界的に知られる様になりました。
旅が好きで、絵も好きで、地図も好きな私にとっては、イラストマップはずっとやってみたい仕事の一つでした。その初仕事が、今まで誰も描いたことのないジャジューカ村だなんて、嬉しすぎて村中を歩き回って気合いを入れて描きました。
そしてこちらは、モロッコ北部を俯瞰できるマップです。
「黄金は海から訪れ 魔物は山から到来する」という言葉は、タンジェに伝わる諺です。
2年前の旅行では、
カサブランカ→フェズ→タンジェ→ジャジューカ村→シェフシャウエン→タンジェ→タリファ(スペイン)→タンジェ→アシラ→ラバト→カサブランカ
というルートで周ったので、この地図に描いた場所はだいたい訪れています。
日本が「日出ずる国」ならば、モロッコは「日の落ちる国」。
大西洋に面していて、空気が乾燥しているこの国では、何度美しい夕日を眺めたことか。
タンジェの南、べエールあたりの夕日
ジャジューカ村の夕日
タンジェの夕日
アシラの夕日
ラバトの夕日
だから、地図には絶対夕日を描きたかった。
そして大西洋と地中海に囲まれた温暖な気候からもたらされる様々な恵みを海の「黄金」と捉え、ギリシャ神話のパーン神(映画『パンズ・ラビリンス』に出てきます!)にも似たブージュルード(ジャジューカ村のフェスティバルで変装して現れる半人半獣の怪物)を、山の「魔物」の象徴として、絵画的に描いてみました。
そして、ジャジューカ村の詳細もたくさんのイラストで紹介しています。
こちらはカフェが併設されたジャジューカ村で一番のオシャレハウス。
ブライアン・ジョーンズのアルバム「JOUJOUKA」の影響で、この村におどろおどろしい印象を抱いている方も多いかと思いますが、実のところ、旅好き女子が飛びつきそうなほっこりした雰囲気でありました。
外観はこんな感じ。
ツートンカラーのカラーリングやドアに凝らされた菱形の意匠が可愛らしいです。
フェスティバルの最中は、こんなお宅にホームステイが出来るんです。
そして人懐っこい村の住民たちも描きました。マスター(ミュージシャン)たちの着ているジェラバ(外套)は、村でのハンドメイドなんだそうです。
他に、屠畜をレポートした文章なんかも書きました。
友人たちと共に、旅を丸ごと一冊に綴じ込めた逸品なので、興味のある方は是非書店にてお手に取ってみてください。
とはいえ、立体イラストメインでやってきた私にとっては異色のお仕事、その後旅がらみのお仕事は依頼されておりません。。
最近は、韓国を続けて旅したりアジア地域も大好きなので、もしご依頼いただいたら一球入魂で描きますよー!
どなたか、旅もののお仕事くださーい!