Q. 立体イラストって何?

A.

主に印刷物等でイラストレーションとして掲載するために、紙粘土等を使ったオブジェです。写真に撮られることを念頭に平面的な見え方を考慮して制作しています。

Q. 素材は何を使っているの?
A. 主に、アーチスタフォルモという石塑粘土を使用しています。石粉による適度な頑丈さがあり、乾燥後の付け足しや削りも可能なので、キメの細かい造形に向いていて修正も可能です。他にも必要に応じて、紙、木材、布、アクリル等、何でも使用します。

Q. 他にはどんな粘土があるの?
A. 立体イラストは、軽量樹脂粘土を使っ た作品が多い様に思います。この粘土は粘土に色を混ぜ込んでから造形するので、淡白であっさりしたカラーに仕上がります。明るくて暖かみのあるイメージに向いていますが、微妙な表情や質感を表現するには向かず、硬化後の修正も出来ないので、私は滅多に使いません。下記の様なデコスィーツ等、特殊なご依頼がある時には使っています。

Q.  工期はどのくらい?
A.

15~20cmの人形の場合、3体で8〜10日が目安です。 行程は、ラフスケッチ→造形作業→乾燥→ディテールを作り込んで仕上げ(削り、付け足し、ヤスリがけ)→着色という順番です。 人物1体につき1日の造形作業時間を確保したく、3体であれば、造形3日、乾燥2〜3日、仕上げ、着色で3~4日、計8〜10日くらいとなります。 サイズの大きい人形や実在人物に似せる人形、ジオラマなどはもっと手がかかるので、2週間から、物によっては一ヶ月くらいの余裕を見て頂けると嬉しいです。 工期の短い週刊誌にも対応出来ていますが、作りは粗くなりがちです。仕事が重なっていたり、粘土が乾きにくい季節もあるので、余裕をもってご依頼頂けると嬉しいです。

Q.  ラフはどんな風に確認出来るの?
A.  ペンや鉛筆等を使ってスケッチします。平面なので多少のすれ違いは生じてしまいますが、ある程度予測可能な誤差と考えています。ラフを一部公開しますので、完成立体画像と見比べてみて下さい。 立体制作時間を確保するため、ラフは数時間で仕上げることが多く粗いです。ディティールを詰めたい場合と勢いを伝えたい場合とで、描き方も違ってきます。

 Q.  いろんなカットを撮りたいのだけど、手や首を動かすことは出来る?
A. クレイアニメに使う油粘土の様な柔軟性はないので、動かすことは出来ません。過去に何度か、手や首を取り外し可能にして可動させてみたことはありますが、特に腕は、やはりぎこちなく、造形的な美しさが損なわれてしまいます。 しかしながら、360度どこから見ても美しい形になる様に、丁寧に仕上ておりますので、いろんなカットが楽しめます。上から見ると、頼り無さげで愛おしく感じたり、下から見ると、自信に満ちてポジティブな表情に見えたり、角度によって表情も変化します。 また、手足に動きのあるポーズ等だと、様々なカットが楽しめます。

Q.  背景付きで使いたいんだけど…
A.

ジ オラマで作る、撮影時に紙や布、物などで演出する、実際の風景の中で撮影する等、様々な方法が考えられます。デザイナーさんやカメラマンの方と打ち合わせの上、小道具等を用意します。 平面の絵を描いてバックに置くという方法は、フラットな塗りの背景と立体とで相殺してしまい、あまり効果的ではありませんでした。難しいことを無理にするより、ジオラマで作る方が早い場合もあります。 個人的には、カキワリ的な背景に凝り固まらず、ここちよい空間演出を目指した方が、立体物を最大限にいかせるのではないかと思っています。 良いアイデアがありましたら、お気軽にご相談下さい。


ジオラマで作った背景

撮影時に演出した背景

実際の風景で撮影した背景
Q.  撮影前に画像の確認は出来ますか?
A.

ご希望であれば、完成画像をメールで送らせて頂きます。慎重に進めたい場合は、着色前の画像もお送りします。下記の立体は、着色前の画像を確認していただいたところ、「足が短く見える」「ゴルフクラブの形が正確ではない」とご指摘頂き修正いたしました。

Q. 納品はどうしているの?
A.  納品時にそのままスタジオにお持ちして撮影に立ち会うこともありますが、納品だけお伺いして撮影はおまかせ、という場合もございます。バイク便や宅配便を使うこともありますが、撮影前の破損を避けるため、なるべく自ら運ぶ様にしています。

Q. 撮影はどうしているの?
A. 基本的には、版元さんやデザイン事務所さんにお手配頂き、撮影して頂いております。こちらでおつきあいのあるカメラマンの方をご紹介させて頂くことも可能です。 大きさは、大人の人物の場合、だいたい15~20cmくらいなので、撮影の際のご参考にして下さい。 撮影は、可能な限り立ち会います。編集者さん、デザイナーさん、カメラマンさん、著作者が全員揃って撮影に挑んだ時の方が、良い作品に仕上がっている様に思います。 簡単なカットであれば自分で撮影することも可能ですが、自己流な上、設備も簡易なものなので、細かいご要望にお応えするのは難しく、その旨ご了承の上ご相談下さい。

Q. 立体イラストを使いたいけど、スケジュールや予算が足りない…
A.  半立体の作品でしたら、全立体のものより、工期を短くすることが可能です。 また、最近使用したものや特徴のある作品はなるべく避けておりますが、過去作品の再使用も可能です。撮影のアングルによって全然違った表現になるので、イラストやレンタルフォトの再使用と違って、全く別の絵柄が構築出来ます。 他に、作品ストックの一部をテスト販売的にフォトライブラリーに登録しております。季節を感じる作品を中心に、いくつか登録しておりますので、ご希望の作品がございましたら是非ご利用下さい。

Q. 立体物なら何でも作れるの?
A. 出来る限りのご要望にはお応えしておりますが、出来ないこともあります。例えば、他者様の著作物である既存のキャラクターを立体におこす作業等は、きめの細かい指定が多々あるので、フィギュアの原型師さんのお仕事にあたるかと思います。 とはいえ、ちょっと変わったご要望にも時々お応えしています。「名刺を入れる小さな引き出しを作って下さい」というご要望では、木材で日曜大工をやりました。他に、ペーパークラフトや、サッカーボールへロゴマークのペインティング等も、手がけたことがございます。「こういうことがしたいけど、どこへ頼めば良いのかな?」とお困りの際は、お気軽にご相談下さい。

Q. イラストで使うのではなくて、自分の人形を作って欲しい!
A. ウェディングや個人的なお祝いの人形も作れます。お気軽にご相談下さい!