『ホ-ム・スウィ-ト・ホ-ム 』「おうち」考現学の世界パネル展

本日より紀伊国屋書店 新宿本店さんGallery Boxにてパネル展示を開催します。

杉本彩子『ホーム・スウィート・ホーム』の刊行記念パネル展
<「おうち」考現学の世界>
紀伊國屋書店 新宿本店 B階段4F踊り場 Gallery BOX
2025年4月29日(火)~5月27日(火)





この本をはじめて工作舎に持ち込んだとき、
編集者さんが引き合いに出してくださったのが
「考現学」の始祖、今和次郎さんのお名前でした。
恐縮しつつも嬉しかったのを覚えています。

私自身、「調査」や「記録」を目論んでいたわけではないため、
「考現学」のスタンスとは異なっているかもしれません。
けれど日本の民家の第一人者であり、建築評論家の今和次郎氏が、
「家」をテーマとしながらも、建物自体より
「内部の人が居てこその家」に関心を注ぐ暖かい眼差しや、
絵を描くことで初めて気付く事柄があると考えている姿勢、
そして何よりその“しつこさ”に、深い尊敬の念と共感を感じています。

今和次郎さんの本は持っていたけど、熟読していたわけでもない。
そんな薄学な私が「考現学」と銘打つおこがましさに恐縮しながらも、
1927年に紀伊國屋書店新宿本店様での展覧会で人気を博した「考現学」と、
その約100年後に同じ場所で開催できる光栄を噛み締め、
この展示では「考現学」的な展開を試みました。

「原画」ではなく「パネル」という特性を活かし、書籍とは別の編集を施し、
各家庭の「持物」に焦点を当ててセクションタイトルを設定するなどしています。

また、同店はインバウンドのお客様も多いということで、
今回のために特別に作った英文版の俯瞰図1点も見どころのひとつです。

そして5階エレベーター脇のコーナーでは、
私が選本した“「おうち」考現学ブックフェア”も開催します。
このために、この1〜2ヶ月は必死に読書をしていました。

往来の「考現学」の領域にとどまらず、小説、漫画、絵本、写真集などからも幅広く、
私が勝手に「考現学だ」と認定した本を22冊選ばせていただきました。
皆様のお叱りやツッコミをお待ちしております。

展示期間も一ヶ月と長いので、新宿にお立ち寄りの際はぜひ足をお運びください。