新年のご挨拶2026

2026年、明けましておめでとうございます。
昨年は拙著『ホーム・スウィート・ホーム』(工作舎)のことで大変お騒がせいたしました。



昨年は、1〜5月に東京(阿佐ヶ谷、目白、新宿、福生)で、4回、
8〜10月に、地方(松本、徳島、静岡、高松、神戸)で5回の観光記念巡回展を開催したのですが、
あまりに怒涛の展示ラッシュで、地方展示の投稿をする間もないまま年を越してしまいました。
今更ですが、SNSでしか紹介しなかった地方展示DMをアップしてみます。


「ホーム・スウィート・ホーム」の夏祭り 杉本彩子俯瞰イラストパネル展 暮らしのかたち
2025.8.28〜9.19 松本/菊の湯

本書に登場する秘宝館の家の住人FEKOさんが、
おっとぼけ美術館で展示を開催しているのにあやかり、松本へ!
残暑は厳しいけど、夜になると涼風が心地よい松本で、
福富夫妻とイベントができて、夏の楽しい思い出になりました!


杉本彩子『ホーム・スウィート・ホーム』原画展 俯瞰して観る
2025.9.23〜10.5 静岡/HIBARI BOOKS & CAFE


本書に登場する三角マンションのぬいぐるみデザイナーさんの作品と、
タイ料理研究家さんの私物(カセットやタイ料理グッズ)も展示させていただきました。
オーナー様の美意識が高く、店内空間や照明も美しくて、華やかな展示になりました。
時間をかけてじっくり見てくださるお客様がとても多かったです!


杉本彩子『ホーム・スウィート・ホーム』俯瞰イラスト原画展 箱庭おうち図鑑
2025.10.13〜10.29 神戸/1003



窓側のメッシュパネルに9点の原画を展示するささやかな展覧会ですが、
真剣にトークを聞いてくださる熱心な書店ファンの方々が多かったです。
書店員さんに最近オススメの本などをご紹介いただきながら、
元町散策もできて、楽しい展示期間になりました。


杉本彩子『ホーム・スウィート・ホーム』俯瞰イラスト原画&パネル展 街の暮らし、里の暮らし
2025.10.22〜11.3 高松/本屋ルヌガンガ


地域の文化拠点ルヌガンガさんでは、都会と地方をテーマにして、
三角マンションやドームハウスの原画2点を筆頭に展示展開をいたしました。
店内にある雛壇の居心地が良く、飛び込み参加のお客様とともに、
少人数ながら、アットホームで楽しいトークイベントができました。


などなど、ここでは書ききれないくらい、楽しい経験がてんこもりでした。
地方巡業中の9月には、丸善ジュンク堂さん主催の「書店員が選ぶノンフィクション大賞2025」に
ノミネートされるご光栄にも預かり、忘れられない年になりました。

松本に訪れた頃はまだ夏真っ盛りだったのに、
全部終わった頃にはもう冬物のジャケットを羽織っていて、
日本の政治もガラッと変わっていました。

面白い出会いや、嬉しい再会もたくさんありました。
大阪万博やインバウンドの影響でホテル代が高騰する最中だったので、
宿泊予約アプリで変動する料金と睨めっこしながらやりくりする日々でした。

そんな中、上諏訪で心地よい寝床を提供してくださった旧友のMTさんや、
出会って間もないのに、寝床だけでなく美味しい朝ごはんまでつくってくださったKAさん、
一宿一飯の御恩は一生忘れません。本当にありがとうございました。

どの地域も下見を含めて複数回訪れています。
松本3回、徳島2回、静岡4回、高松2回、神戸2回。
一年のうちにこれだけ旅行に出かけたことはありません。

その上この間、夫の実家の和歌山県新宮市にも3回行きました。
展示をしなかった6~7月には和歌山の義母が入退院。
怒涛の展示月間10月が終わり、さあ休もうと思っていたら、
11月には実家の母が病気になり、まさかの入院&手術。

私と同じくあちこち出かけるのが好きで、80代にもかかわらず、
昨年も金沢、静岡、新潟と旅行しまくっていた母だけにびっくりして、
実家や病院に通いまくる日々になりました。
ありがたいことに手術も成功して、大晦日は実家で
「ホーム・スウィート・ホーム」な年越しもできました。

おかげさまで義母も実母も無事に年を越すことができ、
それだけでも幸先の良い年始です。

本を読んでくださった皆様、展示に来てくださった皆様、
SNSで温かく見守ってくださった皆様、本当にありがとうございました!

今年もまだ少し、地方展示の予定が残っており、最後まできちんと良い展示を開催したい。
そしてその後は次の一歩を踏み出したい。
まだ少しお騒がせすると思いますが、今年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 

『ホ-ム・スウィ-ト・ホ-ム 』「おうち」考現学の世界パネル展

本日より紀伊国屋書店 新宿本店さんGallery Boxにてパネル展示を開催します。

杉本彩子『ホーム・スウィート・ホーム』の刊行記念パネル展
<「おうち」考現学の世界>
紀伊國屋書店 新宿本店 B階段4F踊り場 Gallery BOX
2025年4月29日(火)~5月27日(火)





この本をはじめて工作舎に持ち込んだとき、
編集者さんが引き合いに出してくださったのが
「考現学」の始祖、今和次郎さんのお名前でした。
恐縮しつつも嬉しかったのを覚えています。

私自身、「調査」や「記録」を目論んでいたわけではないため、
「考現学」のスタンスとは異なっているかもしれません。
けれど日本の民家の第一人者であり、建築評論家の今和次郎氏が、
「家」をテーマとしながらも、建物自体より
「内部の人が居てこその家」に関心を注ぐ暖かい眼差しや、
絵を描くことで初めて気付く事柄があると考えている姿勢、
そして何よりその“しつこさ”に、深い尊敬の念と共感を感じています。

今和次郎さんの本は持っていたけど、熟読していたわけでもない。
そんな薄学な私が「考現学」と銘打つおこがましさに恐縮しながらも、
1927年に紀伊國屋書店新宿本店様での展覧会で人気を博した「考現学」と、
その約100年後に同じ場所で開催できる光栄を噛み締め、
この展示では「考現学」的な展開を試みました。

「原画」ではなく「パネル」という特性を活かし、書籍とは別の編集を施し、
各家庭の「持物」に焦点を当ててセクションタイトルを設定するなどしています。

また、同店はインバウンドのお客様も多いということで、
今回のために特別に作った英文版の俯瞰図1点も見どころのひとつです。

そして5階エレベーター脇のコーナーでは、
私が選本した“「おうち」考現学ブックフェア”も開催します。
このために、この1〜2ヶ月は必死に読書をしていました。

往来の「考現学」の領域にとどまらず、小説、漫画、絵本、写真集などからも幅広く、
私が勝手に「考現学だ」と認定した本を22冊選ばせていただきました。
皆様のお叱りやツッコミをお待ちしております。

展示期間も一ヶ月と長いので、新宿にお立ち寄りの際はぜひ足をお運びください。