イラストマップのお仕事〜モロッコの想い出〜

2年前に発行された『ジャジューカ モロッコの不思議な村とその魔術的音楽』に描いたイラストマップ、まずは本を購入して頂きたかったので、ネットに全体像を掲載することはしなかったのですが、もう2年も経ったのでそろそろ良いかな、と。

こちらが巻頭掲載のジャジューカ村イラストマップです。A5サイズの本なので、見開きサイズのA4で描きました。
一つの家を見えるサイズで描こうとすると、村を丸ごとA4内に描き込むのは結構難しいのですが、小さな村だからなんとか出来たという感じ。

ジャジューカって何?っていう方が大半だと思うのですが、モロッコ北部に存在する小さな村の名称で、その村で何千年も受け継がれて来た民族音楽の名称でもあります。
1971年にブライアン・ジョーンズのアルバム『JOUJOUKA』で紹介されて以来、世界的に知られる様になりました。

旅が好きで、絵も好きで、地図も好きな私にとっては、イラストマップはずっとやってみたい仕事の一つでした。その初仕事が、今まで誰も描いたことのないジャジューカ村だなんて、嬉しすぎて村中を歩き回って気合いを入れて描きました。


そしてこちらは、モロッコ北部を俯瞰できるマップです。
「黄金は海から訪れ 魔物は山から到来する」という言葉は、タンジェに伝わる諺です。

2年前の旅行では、
カサブランカ→フェズ→タンジェ→ジャジューカ村→シェフシャウエン→タンジェ→タリファ(スペイン)→タンジェ→アシラ→ラバト→カサブランカ
というルートで周ったので、この地図に描いた場所はだいたい訪れています。

日本が「日出ずる国」ならば、モロッコは「日の落ちる国」。
大西洋に面していて、空気が乾燥しているこの国では、何度美しい夕日を眺めたことか。

タンジェの南、べエールあたりの夕日

ジャジューカ村の夕日

タンジェの夕日

アシラの夕日

ラバトの夕日

だから、地図には絶対夕日を描きたかった。
そして大西洋と地中海に囲まれた温暖な気候からもたらされる様々な恵みを海の「黄金」と捉え、ギリシャ神話のパーン神(映画『パンズ・ラビリンス』に出てきます!)にも似たブージュルード(ジャジューカ村のフェスティバルで変装して現れる半人半獣の怪物)を、山の「魔物」の象徴として、絵画的に描いてみました。

そして、ジャジューカ村の詳細もたくさんのイラストで紹介しています。
こちらはカフェが併設されたジャジューカ村で一番のオシャレハウス。
ブライアン・ジョーンズのアルバム「JOUJOUKA」の影響で、この村におどろおどろしい印象を抱いている方も多いかと思いますが、実のところ、旅好き女子が飛びつきそうなほっこりした雰囲気でありました。

外観はこんな感じ。

ツートンカラーのカラーリングやドアに凝らされた菱形の意匠が可愛らしいです。
フェスティバルの最中は、こんなお宅にホームステイが出来るんです。

そして人懐っこい村の住民たちも描きました。
マスター(ミュージシャン)たちの着ているジェラバ(外套)は、村でのハンドメイドなんだそうです。

他に、屠畜をレポートした文章なんかも書きました。
友人たちと共に、旅を丸ごと一冊に綴じ込めた逸品なので、興味のある方は是非書店にてお手に取ってみてください。

とはいえ、立体イラストメインでやってきた私にとっては異色のお仕事、その後旅がらみのお仕事は依頼されておりません。。
最近は、韓国を続けて旅したりアジア地域も大好きなので、もしご依頼いただいたら一球入魂で描きますよー!
どなたか、旅もののお仕事くださーい!





各種雑誌で書評を掲載していただきました

今年もあと僅か。未だ仕事納め出来ず。
今年はいろんなことがありました。
個人的には、特に俯瞰図の分野で飛躍を遂げた一年でした。
東北大学の新校舎俯瞰図、日建設計のNADチームの俯瞰図、
世界の設計事務所の本の中国語版の出版、そして何よりも、
モロッコのジャジューカ村のイラストマップを描けたことが、
やっぱりどうしても、一番印象に残る、嬉しいお仕事でした。

『ジャジューカ モロッコの不思議な村とその魔術的音楽』
出版から二ヶ月経って、いろんな雑誌が書評欄で取り上げてくださっています。

『intoxicate』2017年12月号


『Music Magazine』2018年1月号


『レコード・コレクターズ』2018年1月号


『ラティーナ』2017年12月号


『通販生活』2018年春号


お手に取っていただけると嬉しいです。
本当に巡り合わせで、いろんな人のおかげさまで、 たまたま好きなことが出来ているんだと思います。
ご関係頂いた全ての人に感謝しています。

この年末年始も、年を跨いで沢山の俯瞰図を描いています。
俯瞰の範囲も、建物から飛び出して、どんどん広範囲になっていく。

情報量多くて、細かくて、なかなか大変な作業ですが、
必要としてくださる方がいる幸せを噛み締め、頑張ります。
来年も何卒よろしくお願い申し上げます。

kucci拝

『ジャジューカ モロッコの不思議な村とその魔術的音楽』(ムジアーンズ・編/太田出版)発売!

『ジャジューカ モロッコの不思議な村とその魔術的音楽』(ムジアーンズ・編/太田出版)が 一昨日の10月26日に発売されました。



「ジャジューカ」とは、モロッコ北部に存在する小さな村で、そのごく狭い地域の中で、
親から子へと受け継がれて来た民族音楽が、何千年も演奏され続けている不思議な村の名称です。
1971年にブライアン・ジョーンズのアルバム『JOUJOUKA』で紹介されて以来、
世界に知らしめられたその言葉は、村の名称であると同時に、音楽の名称にもなりました。

2008年からは、世界中から50人限定のフェスティバルが開催される様になり、
ここ数年は友人たちが参加していて、とても面白そうだったので、
この夏私も思いきってモロッコに出かけてみたのです。

そのジャジューカのミュージシャンたちが、なんと来月来日公演を開催します。
アジア地域での公演は初めてのとのこと! 11月6日の東京公演は売り切れですが、11月3、4日のつま恋公演のチケットは まだ購入可能ですので、興味のある方は是非ご参加ください!
その来日公演を記念して、本が出版されることとなり、制作に関わらせて頂きました。
私が担当したのは、世界初!!ジャジューカ村マップ、夕日の落ちるモロッコ北部俯瞰地図の他、 村の衣服、村の住まい、家の俯瞰図、楽器のイラスト等々です。
また、村で行われる屠畜のレポートも執筆させて頂きました。





フジオ・プロダクション代表取締役で現代美術家の赤塚りえ子さん、
楽団のマネージャーであるフランク・リンさんのインタビューの他、
音楽評論家でラジオDJで中東料理研究家のサラーム海上さん、作家の戌井昭人さん、
文筆家の今村守之さん、タコ、ガセネタのボーカリストで文筆家の山崎春美さん、
音楽研究家で早稲田大学非常勤講師の渡邊未帆さん等、
とても豪華な執筆陣でバラエティに富んだ内容になっています。

書店に足を運ばれた際には、是非お手にとって頂けると嬉しいです!
何卒よろしくお願い申し上げます。

アマゾンはこちら


kucci

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『プレNEOシリーズ せかいの図鑑』2016年 A/小学館

小学館『プレNEOシリーズ せかいの図鑑』本日発売です!

今回新たに制作したのは、左ページの上中央「ロシア」と下3つめの「インド」、右ページ上中央「ボリビア」です。皆さんはどの子が好きですか?

 

日本、中国、韓国、フィリピン、ブラジル、フランス、エジプト、このチョイス、何だと思います?今日本に在住されてる外国人の多い順なんだそうです。街で出会ったら、ここに載ってる挨拶を交わしてみたいですね!

 

積み木の組み方もデザインしました。左から、マサイ族、日本、スペイン、ペルー、ブータン、ロシア。ロシアの子が演奏しているのはバラライカという楽器です。

 
昨年9月、えらいことになっていた理由の大半はこれ。半年程経ってようやく発売となりました。昨年の『にっぽんの図鑑』に続き、今年はオリンピックに向けて『せかいの図鑑』です。
 
世界の民族衣装人形は、10年程前からライフワークとして少しづつ制作して来たものですが、今回初の書籍デビューとなりました。私にとっては「子どもたち」の晴れ舞台、嬉しい限りです。冒頭の見返しページ『せかいのふく』をドーンと飾っています。
そして今回のために制作した人形達は、目次後すぐの『「こんにちは」のあいさつ』ページと『うたで せかいが つながる』のページで使って頂いています。他に平面のイラストも載っています。
 
私が小さい頃に抱いた様な、イッツ・ア・スモールワールド的な世界観を、今時の子ども達が同じ様に抱けるのかどうか。
でも色とりどりのローカルな紋様やスタイルの衣装を纏った子どもたちが、それぞれに輝いて存在している世界は、多様な生き方が許容される世界の象徴で、私にとってはユートピア。世界のはじまりです。ピュアすぎるかな。
子どもたちの心に少しでも届きます様に。

小学館の特設サイト(表紙と裏表紙にも使って頂いています!)
 
ご購入はこちら↓